【アクセシビリティ】視覚を使わずにiPhoneを操作する方法
目次
はじめに
iPhone にはボイスオーバーという画面を読み上げてくれる機能が元から備わっています。
この機能を使うことで目の見えない方や見えにくい方でも iPhone を操作できるようになります。
また、ソフトウェア開発者の方は自分たちの製品がボイスオーバーを通してどう見えているのかを知る良い体験になります。
本記事では iPhone を対象にしていますが、iPad でもボイスオーバー機能は使えます。
個人的には持ち運びやすさと振動による触覚へのフィードバックができるという点で iPhone の方をおすすめします。
ボイスオーバーの有効化と無効化
iPhone でボイスオーバーをオン・おふにする方法は主に以下の2つです:
- Siri を起動して「ボイスオーバーをオンにして」または「ボイスオーバーをオフにして」と話しかける
- 「設定」を起動してから「アクセシビリティ」→「ボイスオーバー」と進んでオンまたはオフをタップする
最初は操作に戸惑うでしょう。そんな時は「ボイスオーバーの操作練習」という機能を利用します。
練習用の画面では誤った操作で何かを消してしまうようなことは起きないので安心して操作の練習ができます。
「ボイスオーバーの操作練習」を開く手順は以下の通りです:
- 「設定」を起動する
- 「アクセシビリティ」→「ボイスオーバー」→「ボイスオーバーの操作練習」と進む
終了する際は右上の「完了」ボタンを選択してからダブルタップします。
次の見出しからは具体的な操作方法を解説していきます。
ボイスオーバーの操作方法
基本的には画面内の項目を 1 回タップで選択して 2 回タップでその項目を使うという操作です。
リンクやボタンなどは 2 回タップしないと実行されないので、気づかないうちに削除ボタンを押してしまうような心配はありません。
さらにタッチする指の数とスワイプする方向の組み合わせで操作が変わります。
(スワイプとはスクロール操作のように画面に触れたままなぞる操作のことを指します)
- 1 本指の場合:
- タッチで項目を読み上げ
- ダブルタップで選択中の項目を使う
- 左右にスワイプで項目の選択を移動
- 上下にスワイプで文字または単語単位の選択を移動
- 2 本指の場合:
- タッチで読み上げをキャンセル
- 下にスワイプで画面の項目をすべて読み上げる
- 3 本指の場合:
- ダブルタップで読み上げのオンまたはオフ
- 左右にスワイプで左右にスクロール
- 上下にスワイプで上下にスクロロール
これらの操作はボイスオーバーの設定画面から好みの設定に変更できます。
実際に操作してみて使い心地を確かめることをおすすめします。
速度や声の高さなどをカスタマイズする方法
読み上げの速さや声の高さ、声の種類などはボイスオーバーの設定画面から変更できます。
聞き取りやすい声や速度は人によって違うので自分好みに変更することをおすすめします。
ボイスオーバーの設定を開く方法は以下の通りです:
- 「設定」を起動する
- 「アクセシビリティ」→「ボイスオーバー」と進む
読み上げ速度を変更するにはボイスオーバーの設定画面で以下の手順を行います:
- 「読み上げ速度」を選択します
- 1 本指の上下で項目をスワイプします。
声の高さを変更するにはボイスオーバーの設定画面で以下の手順を行います:
- 「読み上げ」をダブルタップします
- 「ピッチ」を選択します
- 1 本指の上下で項目をスワイプします。
ジェスチャ操作を変更する場合は「コマンド」→「タッチジェスチャ」と進みます。
指の数と操作の組み合わせで操作をカスタマイズできます。
プライバシーを守る方法
ボイスオーバーは画面の項目をなんでも読んでしまうため、パスワードなどの重要な情報も読み上げてしまいます。
なので周りに聞こえないようにイヤホンやヘッドホンを接続することを強くおすすめします。
最近は Bluetooth の骨伝導イヤホンというものも販売されており、装着しても耳を塞がないため外出時や仕事中も安全に使用できます。
骨伝導イヤホンに関しては僕もお気に入りで、今度記事にしようと考えています。
また、iPhone にはスクリンカーテンという画面だけをオフにする機能が備わっています。
ボイスオーバーを使いながら画面を真っ暗にできるためプライバシーが守られます。
スクリンカーテンをオンまたはオフにする方法は以下の通りです:
- iPhone のスリープ状態を解除する
- 画面を 3 本指で 3 回素早くタップする
おわりに
今回は iPhone のボイスオーバー機能を紹介しました。
この機能のおかげで視覚障がい者でも自由に iPhone を操作して各種アプリを使うことができます。
また、アクセシビリティに興味を持ったソフトウェア開発者の方も、自分たちの製品がボイスオーバーを通してどんな風に見えるのかを知ることで新しい気付きやフィードバックがあります。
そのフィードバックをもとに製品を改善することでより多くのユーザーに使ってもらうことができます。
今回は異常です。
ここまで読んで頂きありがとうございます!